健康トピックス  

放っておくのは問題-肥満と高血圧-



肥満の人は高血圧?

 心臓は体のすみずみまで血液を行き渡らせるため、強い圧力で血液を送り出しています。
肥満の人は体が大きいので、さらに強く押し出さねばならないため血圧が高くなるといわれていました。
しかし、体重が重くなるほど血圧が高くなるというわけではありません。
体重より、血圧を上げたり動脈硬化を起こす物質を作っている内蔵脂肪が増えると、血圧が高くなりやすいことがわかってきました。

自覚症状が少ない高血圧

 国民の3〜4人に1人が高血圧といわれていますが、肥満の人では2人に1人の割合に増えます。
自覚症状がほとんどないため、気付かずに放置されてしまうことがよくあります。
 高血圧の状態が続くと血管の壁の内側に傷がつき、そこに血液中のコレステロールなどがたまって動脈硬化を招き、やがて狭心症や心筋梗塞などの病気を引き起こします。
収縮期血圧は140mmHg、拡張期血圧は90mmHgを基準として、いずれか一方または両方がこの値を上回った状態が続く場合が高血圧とされています。
機会があったら血圧を計っておくことが大切です。

食事の改善と運動が効果的

 肥満度は身長と体重から計算される数値(BMI)でわかります。
内臓脂肪の蓄積は、ウエスト周囲径(腹囲)を測定し、男性85cm、女性90cm以上なら蓄積している可能性が高いといえます。
肥満による高血圧には食事療法、運動療法で減量することが有効です。
目標としては3〜6カ月くらいの間に現在の体重の5%を目指す程度がよいでしょう。
 血圧や肥満、内臓脂肪が気になったら、かかりつけ医に相談しましょう。






BMI計算式
肥満度の判定基準(日本肥満学会2000)
18.5未満 低体重(やせ)
18.5以上25未満 普通体重
25以上 30未満 肥満(1度)
30以上 35未満 肥満(2度)
35以上 40未満 肥満(3度)
40以上 肥満(4度)


指導: 東京逓信病院内科部長 宮崎 滋
企画: 日本医師会
協賛: エーザイ株式会社