健康トピックス  

放っておけない場合も -女性のおりもの-



おりものとは

 おりものは女性の生殖器からの分泌物で、卵巣が働いている間は、程度の差はあるものの、ほとんどの女性にみられます。
卵巣機能と深く関係しているため、排卵の前では水っぽく、生理にかけて黄白色のものが多少増える傾向があります。
女性ホルモンとの関係から、思春期前または閉経後ではふつうみられません。










おりものが増えたら

 膣や子宮の炎症が、おりものの増える原因としてあげられます。
特に多いのはカンジダ膣炎ですが、妊娠、抗生剤の服用、糖尿病、免疫力低下などによる場合があるので、原因をつきとめることが大切です。
 性交などによる感染症(トリコモナス膣炎やクラミジア感染)でも増えることがあり、放置すると不妊の原因にもなりますから、早めの治療が必要です。
 また、子宮がんや卵管がんのような悪性腫瘍でも増えます。
この場合は水のようなおりもの、クリーム色の膿のようなおりもの、あるいは血液が混じったおりものなどの訴えがよくみられます。
思い当たるときは、ぜひ専門医の診察を受けましょう。

こんなときにも診察を

 特に、本来おりものがないはずの閉経後の女性の場合、おりものに気づいたら、すぐ専門医に相談してください。
 ただし、ときに尿や痔からの出血をおりものと間違えることもありますので、注意して調べてみることが必要です。


指導:東京大学大学院医学系研究科産婦人科
    教授 武谷 雄二
企画:日本医師会
協賛:武田薬品