健康トピックス  

知識と予防が大切-急性上気道炎-



 さわやかな秋は、やがて来る冬への入口です。
空気が乾燥して寒い「“かぜ”の季節」に備えての正しい知識と予防の習慣が大切です。

ほとんどはウイルスが原因

 急性上気道炎とは、いわゆる“かぜ症候群”のことです。
最もよく見られる呼吸器疾患で、原因のほとんどはウイルスです。
ふつう1週間以内で自然に治りますが、医師の診察を受けるべきかどうかは、下図のような基準で判断してください。
 なかには重大な病気が隠れていることもありますから、症状が4日以上続いたり悪化する場合は受診の目安になります。
慢性疾患のある人ではもっと早めに受診するとよいでしょう。

症状



38℃以下 発熱 39℃以上





透明感がある 鼻汁 黄色・緑色(濁っている) 注)熱が38〜39℃で、他の症状が2つ以上見られる場合には医師の診察を受けることを勧めます。
軽い場合 喉の痛み はげしい痛み、はれ
軽い場合 せき はげしい場合

自宅療養での注意点

 急性上気道炎の多くは自宅療養で治ります。
インフルエンザウイルス以外の“かぜ”のウイルスには有効な薬がなく、ほとんどのかぜ薬はいろいろな症状をやわらげるための薬で、“かぜ”は免疫の力によって治っていくのがふつうです。
安静をはじめとしてバランスのよい食事、水分補給、室温・湿度の調節などに気を配ってください。
 かぜのひきはじめ、特に発熱時にウイルスが最も感染しやすいので、周囲の人は感染予防に注意しましょう。
予防には手洗いとうがいが有効とされています。
ウイルスの感染経路を絶つための予防法ですが、石鹸を使って手洗いをし、タオルは患者さんと別にする、うがいは水道水より殺菌・殺ウイルス作用があるポビドンヨード(市販品あり)で行うことなどが勧められます。外から帰宅したときの手洗いとうがいを、今から習慣づけておきましょう。



指導:倉敷第一病院呼吸器センター長
    松島 敏春
企画:日本医師会
協賛:第一製薬