2004.10.16
第77回放送分『乳がん検診』 ゲスト:金子洋一ドクター


二見いすず: 今週と来週は「乳がん検診」について伺って参ります。
お話は鹿児島県医師会の金子 洋一(かねこ よういち)ドクターです。
金子さんには、昨年もこのテーマの際にお越しいただきました。
ところで近年、日本ではこの乳がんの発生率が金子さん、高くなっているそうですね。

金子洋一Dr: そうですね。
日本では、乳がんの発生率が非常に増加してきておりまして、女性がかかるがんのうちで、一番多いのは乳がんです。
アメリカでも増加傾向にあります。
しかし最近、10年位死亡率が減少傾向にあります。
しかし日本の場合は死亡率は増加傾向にあります。
アメリカでは、成人女性が乳がんに対する関心度が非常に高くなって参りまして、受診率が非常に高く、そのために乳がんの発見率も高くなり、結果として早期に発見し早期治療が可能になるので、乳がんの死亡率が減少傾向にあるといわれています。

二見いすず: では日本は、なぜ増加傾向になってしまったんでしょうか。

金子洋一Dr: まず、発生率ですが、これは様々な要因は考えられます。
大きな傾向としては、食事の欧米化による高脂肪の摂取が挙げられます。
さらに、乳がんは女性ホルモンの影響によって発生致しますので、子どもを産まない女性、産んだとしても1人などという、最近の少子化傾向が乳がんになりやすい環境を作っていると思われます。
閉経期の女性に乳がんも多いんですが、特に閉経後、肥満傾向の人、飲酒・喫煙の習慣がある人は、そうでない場合に比べ、乳がんにかかる率が高いという結果も出ています。
この他、仕事等でのストレス等も大きな要因であると思われます。

二見いすず: では、乳がんは、何歳くらいから注意すべきなんでしょうか。

金子洋一Dr: 今まで、鹿児島県内で一番若い乳がん患者は17歳の女性です。
私のクリニックでは、23歳の女性が一番若い例でした。
乳がんの発生が一番多い年代は、40代から60代です。
国の定める集団検診での乳がん検診は30歳からとなっております。
現在鹿児島県内の乳がん検診は、マンモグラフィーといわれるX線を導入しまして、非常に高い確率で早期乳がんが発見できるようになっております。

二見いすず: 若いからといって、何か気になることがあったらすぐ専門医に行くことが大事なことですよね。
検診の詳細については次回お願いできますか。

金子洋一Dr: そうですね。

二見いすず: 検診の詳しいことなどは来週お願い致します。
お話は鹿児島県医師会の金子洋一(かねこ よういち)ドクターでした。