2011.3.5 第409回放送分『糖尿病』 ゲスト:瀬戸山史郎ドクター



二見いすず: 3月のドクタートークは、「糖尿病」についてお話をうかがいます。
第1回目の今日は、鹿児島県糖尿病対策推進会議会長で、鹿児島県医師会の瀬戸山史郎(せとやましろう)ドクターに、糖尿病の現状について伺いたいと思います。
よろしくお願いいたします


瀬戸山史郎Dr: よろしくお願いいたします。

二見いすず: 今回のテーマは糖尿病ですが、改めてどんな病気なのでしょうか。
瀬戸山史郎Dr: はい。
糖尿病は、高血糖が持続する病気で、その結果、体にいろいろな障害を引き起こしてしまいます。

二見いすず: はい。
糖尿病なると、どんな障害が出てくるのでしょうか。

瀬戸山史郎Dr: はい。
糖尿病の合併症は、代表的なもので、動脈硬化による心筋梗塞、脳梗塞、脳卒中のリスクが健常な人より数倍高まること、また、網膜症になって失明したり、腎症になって人工透析を余儀なくされたり、神経症で足が壊死してしまうこともあります。


二見いすず: とても重い病気につながるのですね。
心筋梗塞や脳梗塞、脳卒中なども起こるということは、命に関わる場合もあるのですね。


瀬戸山史郎Dr: そうなんです。
実は、糖尿病患者さんの平均寿命は、そうでない方に比べて、男性で約10年、女性で約13年も短いという統計が出ています。


二見いすず: 命に関わるとは、とても驚きました。
ぜひ糖尿病にならないように、予防していただきたいものです。
瀬戸山さん、近年、糖尿病の患者さんが増えているそうですね。

瀬戸山史郎Dr: そうなんです。
2007年の調査では、糖尿病とその予備軍の方が、日本に約2210万人いるという数字が出ました。
10年前の1370万人に比べ約1000万人近くも増加しています。


二見いすず: それはすごいですね。
なぜ、糖尿病の患者さんが増え続けているのでしょう。


瀬戸山史郎Dr: はい。
まず社会環境の変化があげられます。
食生活の欧米化による脂肪の摂りすぎ、朝食抜きや夜食などの不規則な食習慣、運動不足等が、糖尿病を引き起こす一因になっていると思います。


二見いすず: なるほど。
やはり、メタボリックシンドロームなども関係してくるのでしょうか。

瀬戸山史郎Dr: そうですね。
内臓脂肪型肥満によって引き起こされるメタボリックシンドロームの診断基準は、ウエストサイズが男性85センチ以上、女性90センチ以上とされています。
そのほかに、空腹時の血糖が健常者より僅かに高いかどうかも、診断基準の一つです。
つまり、メタボリック症候群や予備軍の方の中には、糖尿病予備軍の方が多くいらっしゃるということです。


二見いすず: なるほど。
メタボ傾向のある方は、そうでない方よりは、糖尿病を発症してしまう可能性が高いのですね。


瀬戸山史郎Dr: その通りです。
まず、糖尿病の怖さを知り、糖尿病が発症しないように生活習慣を整え、予防に努めていただきたいと思います。
また、メタボリックシンドロームにならないよう注意することは、糖尿病予防対策の一つだと思います。


二見いすず: よく分かりました。
では、次週からは、糖尿病の具体的な原因、治療、予防についてお話を伺っていきたいと思います。

瀬戸山史郎Dr: 次週からは、鹿児島県医師会の鎌田哲郎ドクターにお話をお願いしたいと思います。

二見いすず: わかりました。
瀬戸山さん、本日はありがとうございました。

瀬戸山史郎Dr: ありがとうございました。