二見いすず: | 3月のドクタートークは、「糖尿病」についてお話をうかがいます。 第1回目の今日は、鹿児島県糖尿病対策推進会議会長で、鹿児島県医師会の瀬戸山史郎(せとやましろう)ドクターに、糖尿病の現状について伺いたいと思います。 よろしくお願いいたします |
瀬戸山史郎Dr: | よろしくお願いいたします。 |
二見いすず: | 今回のテーマは糖尿病ですが、改めてどんな病気なのでしょうか。 |
瀬戸山史郎Dr: | はい。 糖尿病は、高血糖が持続する病気で、その結果、体にいろいろな障害を引き起こしてしまいます。 |
二見いすず: | はい。 糖尿病なると、どんな障害が出てくるのでしょうか。 |
瀬戸山史郎Dr: | はい。 糖尿病の合併症は、代表的なもので、動脈硬化による心筋梗塞、脳梗塞、脳卒中のリスクが健常な人より数倍高まること、また、網膜症になって失明したり、腎症になって人工透析を余儀なくされたり、神経症で足が壊死してしまうこともあります。 |
二見いすず: | とても重い病気につながるのですね。 心筋梗塞や脳梗塞、脳卒中なども起こるということは、命に関わる場合もあるのですね。 |
瀬戸山史郎Dr: | そうなんです。 実は、糖尿病患者さんの平均寿命は、そうでない方に比べて、男性で約10年、女性で約13年も短いという統計が出ています。 |
二見いすず: | 命に関わるとは、とても驚きました。 ぜひ糖尿病にならないように、予防していただきたいものです。 瀬戸山さん、近年、糖尿病の患者さんが増えているそうですね。 |
瀬戸山史郎Dr: | そうなんです。 2007年の調査では、糖尿病とその予備軍の方が、日本に約2210万人いるという数字が出ました。 10年前の1370万人に比べ約1000万人近くも増加しています。 |
二見いすず: | それはすごいですね。 なぜ、糖尿病の患者さんが増え続けているのでしょう。 |
瀬戸山史郎Dr: | はい。 まず社会環境の変化があげられます。 食生活の欧米化による脂肪の摂りすぎ、朝食抜きや夜食などの不規則な食習慣、運動不足等が、糖尿病を引き起こす一因になっていると思います。 |
二見いすず: | なるほど。 やはり、メタボリックシンドロームなども関係してくるのでしょうか。 |
瀬戸山史郎Dr: | そうですね。 内臓脂肪型肥満によって引き起こされるメタボリックシンドロームの診断基準は、ウエストサイズが男性85センチ以上、女性90センチ以上とされています。 そのほかに、空腹時の血糖が健常者より僅かに高いかどうかも、診断基準の一つです。 つまり、メタボリック症候群や予備軍の方の中には、糖尿病予備軍の方が多くいらっしゃるということです。 |
二見いすず: | なるほど。 メタボ傾向のある方は、そうでない方よりは、糖尿病を発症してしまう可能性が高いのですね。 |
瀬戸山史郎Dr: | その通りです。 まず、糖尿病の怖さを知り、糖尿病が発症しないように生活習慣を整え、予防に努めていただきたいと思います。 また、メタボリックシンドロームにならないよう注意することは、糖尿病予防対策の一つだと思います。 |
二見いすず: | よく分かりました。 では、次週からは、糖尿病の具体的な原因、治療、予防についてお話を伺っていきたいと思います。 |
瀬戸山史郎Dr: | 次週からは、鹿児島県医師会の鎌田哲郎ドクターにお話をお願いしたいと思います。 |
二見いすず: | わかりました。 瀬戸山さん、本日はありがとうございました。 |
瀬戸山史郎Dr: | ありがとうございました。 |