二見いすず: 今月のドクタートークは、「糖尿病」についてお話をうかがっています。
今週は、鹿児島県医師会の鎌田哲郎(かまだてつろう)ドクターにお話を伺います。
鎌田さん、よろしくお願いいたします。

鎌田哲郎Dr: よろしくお願いいたします。

二見いすず: 今日は、糖尿病の原因について、お願いします。

鎌田哲郎Dr: はい。
まず、糖尿病は、血液中の糖が高い状態が長期間持続することで、体のいろいろな臓器の血管や神経に障害を引き起こす病気です。
その原因として、血液中の糖を下げる働きをするインスリンという物質が大きく関わっています。

二見いすず: はい。
インスリン、ですね。

鎌田哲郎Dr: そうです。
インスリンは、すい臓のβ(ベータ)細胞から分泌される物質ですが、血液中の糖をエネルギーとして有効に使うために重要な働きをしています。
このインスリンの作用が不足すると、血糖値が下がらなくなり、糖尿病が発症してしまうのです。

二見いすず: なるほど。
血糖値を下げる物質であるインスリンの働きが足りないことが、糖尿病の原因なのですね。

鎌田哲郎Dr: そうです。
糖尿病には大きく分けて、1型と2型があります。
まず、1型はすい臓のベータ細胞が壊れてしまい、インスリンが出ない状態になり、高血糖、糖尿病にいたるパターンです。

二見いすず: はい。

鎌田哲郎Dr: 一方、2型の場合は、ベータ細胞は存在していますが、インスリンを素早く出せないという問題があり、それに加えて食生活の乱れや運動不足による肥満、ストレスの蓄積などによってインスリンがうまく働けない状態が起こってくることで、糖尿病にいたるパターンです。

二見いすず: なるほど。
糖尿病には、1型と2型があり、その原因としては、すい臓のベータ細胞が壊れてインスリンが出なくなってしまう場合と、ベータ細胞の不調や不適切な生活習慣によって、インスリンの作用を充分に得ることが出来なくなって、血糖値が上がってしまうということですね。

鎌田哲郎Dr: そのとおりです。
1型と2型の割合については、2型の患者さんが圧倒的に多く、約9割以上を占めています。
2型の患者さんの特徴は、糖尿病になりやすい因子、例えばインスリンが素早く出てくれないことなどですが、これを遺伝的に持っている方が多いことが分かっています。

二見いすず: よくわかりました。
まとめますと、2型の糖尿病は、すい臓から出るインスリンの働きが大きく関係しており、なりやすい遺伝的要素に加えて、食生活、運動不足、肥満、ストレスなど環境の要因が影響して発症するということですね。

鎌田哲郎Dr: その通りです。

二見いすず: よくわかりました。
本日のお話は、鹿児島県医師会の鎌田哲郎さんでした。
来週は、糖尿病の予防についてお伺いします。
本日はありがとうございました。

鎌田哲郎Dr: こちらこそありがとうございました。