二見いすず: 今月のドクタートークは、「糖尿病」についてお話をうかがっています。
今週も鹿児島県医師会の鎌田哲郎(かまだてつろう)ドクターにお話を伺ってまいります。
鎌田さん、今週もよろしくお願いいたします。

鎌田哲郎Dr: よろしくお願いいたします。

二見いすず: 先週は、糖尿病の原因について伺いました。
糖尿病には、1型と2型があるということでした。
1型はすい臓のベータ細胞が壊れてしまったことが原因で、インスリンが出ない状態になり、高血糖、糖尿病にいたるパターン。
2型は、遺伝的要因のある方が、食生活の乱れ、運動不足、ストレス、加齢などが原因でインスリンが働きにくい状態となり、さらに分泌量も減少してきて発症するパターンということでした。

鎌田哲郎Dr: その通りです。

二見いすず: では、今週は、それをふまえて、糖尿病の予防についてお話をお願いします。

鎌田哲郎Dr: はい。
ベータ細胞の破壊や不調、加齢などによるインスリン不足を防ぐことは難しいですが、発症の引き金になる食生活の乱れ、運動不足、ストレスの蓄積、肥満などは、ご自分の努力によって改善することができます。

二見いすず: そうですね。
それぞれポイントはありますか?

鎌田哲郎Dr: はい。
まず、食生活のポイントについては、まず肥満をきたさないように腹八分を心がけます。
次に、食後の急激な血糖上昇をきたさないようにすることです。
まず、ゆっくりと時間をかけて食べること。
次に、炭水化物を多く含む食品の食べ方に気をつけていただきたいと思います。

二見いすず: はい。
炭水化物を多く含む食品とは、たとえばどんなものでしょうか。

鎌田哲郎Dr: はい。
ご飯や麺類、パンなどです。
この炭水化物は、消化されるとすぐ糖に分解され、血液中に吸収されます。
食後の高血糖の9割の原因は炭水化物です。
したがって、糖尿病の危険因子のある方は、炭水化物を取りすぎない事が必要です。

二見いすず: はい。

鎌田哲郎Dr: また、食物繊維を多くとることも大切です。
食物繊維は糖の吸収をゆっくりにしてくれますので、ゆっくり出てくるインスリンでも充分対応可能になるのです。
また、食物繊維を多く含む野菜料理を先に食べてから、次におかず、最後の方でご飯を食べるという会席料理のような食べ方や、白米を玄米や雑穀米に替える方法もおすすめです。

二見いすず: なるほど。
では、運動不足解消の目安はありますか?

鎌田哲郎Dr: はい。
一応、糖尿病では有酸素運動として1日1万歩を週3回歩くことが推奨されています。
以前は、20〜30分以上続けないと運動にはならないと言われていましたが、今はこま切れでもトータルとして考えても良いという研究報告もあります。

二見いすず: なるほど。
日常生活の中で、こまめに動くことも運動不足解消に役立ちそうですね。

鎌田哲郎Dr: その通りです。

二見いすず: よく分かりました。
お話は、鹿児島県医師会の鎌田哲郎さんでした。
ありがとうございました。

鎌田哲郎Dr: こちらこそありがとうございました。