二見いすず: 今月のドクタートークは、「糖尿病」についてお話をうかがっています。
最終日の今日も鹿児島県医師会の鎌田哲郎(かまだてつろう)ドクターにお話を伺います。
よろしくお願いいたします。

鎌田哲郎Dr: よろしくお願いいたします。

二見いすず: 先週は、糖尿病の予防について伺いました。
本日は、糖尿病の治療についてお願いします。

鎌田哲郎Dr: 1型については始めからインスリンで治療します。
2型の場合は、軽度の場合は、食事療法や運動療法で改善を目指します。
それでコントロールが難しい場合、飲み薬を使うのが一般的です。
いろいろな薬があり、多くはそれらを組み合わせて使います。
薬を使う場合でも食事と運動は重要です。

二見いすず: なるほど。さらに進むとどうなりますか。

鎌田哲郎Dr: はい。
糖尿病が進むと、2型でもベータ細胞の量が減ってくると考えられています。
その場合、インスリン注射による治療を行います。
早めにインスリンを使うことでベータ細胞を長持ちさせることができます。
また、ベータ細胞を回復させるために一時的にインスリンを使用する場合もあります。

二見いすず: なるほど。
よくわかりました。

鎌田哲郎Dr: また、最近の研究で明らかになってきたことなのですが、糖尿病の治療では、早期に適切な治療を開始し、良い血糖コントロールを続けていくことが、その方の10年、20年後の合併症の発症率に大きな影響を与えることが分かってきました。

二見いすず: なるほど。

鎌田哲郎Dr: はい。
糖尿病は、さまざまな深刻な合併症を引き起こす可能性がある病気だということを忘れず、医師の指導を受けて、しっかりと治療に取り組んでいただきたいと思います。

二見いすず: 初期段階での治療も大切だということがよくわかりました。
ただ、糖尿病は自覚症状があまりなく、ご自分では気づきにくいと聞いたことがあるのですが。

鎌田哲郎Dr: そうなんです。
ですから、もし血縁の方に糖尿病の方がおられたり、肥満や運動不足など、糖尿病になりやすい傾向があるのでしたら、まずは検診を受けることをおすすめします。

二見いすず: わかりました。
どのような検査があるのでしょうか。

鎌田哲郎Dr: はい。
まずは、採血して血糖値とヘモグロビンA1cという1〜2か月の間の血糖の状態でわかる検査をしてもらうことが最も簡単で確実な方法です。

二見いすず: はい。

鎌田哲郎Dr: また、糖負荷試験で調べる方法もありますので、専門医にご相談ください。糖尿病が怖い病気であることを認識し、家族歴がある方やメタボ傾向のある方は、発症率が高いことを知り、検査をして、しっかりと予防に努めていただきたいと思います。

二見いすず: はい。

鎌田哲郎Dr: また、糖尿病と診断された場合、糖尿病について、専門医のいる施設で1度教育を受けられるのが有効です。
その後、かかりつけのドクターにきちんと管理していただきながら、適切な治療を継続していただきたいと思います。

二見いすず: よくわかりました。
鎌田さん、ありがとうございました。

鎌田哲郎Dr: ありがとうございました。