二見いすず: | 今月のドクタートークは、「脳卒中」について鹿児島県医師会の友杉哲三(ともすぎてつぞう)ドクターにお話を伺います。 友杉さん、今週もよろしくお願いいたします。 |
友杉哲三Dr: | よろしくお願いいたします。 |
二見いすず: | 今週は、脳卒中の症状についてお願いします。 |
友杉哲三Dr: | はい。 脳卒中の代表的な症状は、急に顔の半分、片方の手足が動かなくなったり、しびれたりします。 また、突然意識がおかしくなって、言葉が出なくなったり、周囲の人の話すことが理解できなくなったりします。 右側もしくは左側半分が急に見えにくくなることもあります。 |
二見いすず: | はい。 |
友杉哲三Dr: | また、突然のふらつきがあり、力はあるのにバランスが取れずに歩けなくなったり、手足がうまく動かせなかったりします。 激しい頭痛に突然襲われることもあります。 そういった症状が出たら、脳卒中の可能性がありますから、すぐに病院へ行ってください。 |
二見いすず: | はい。 ぜひ早めの対処を、ということですね。 |
友杉哲三Dr: | はい。 脳卒中の治療は、時間が大きく命運を分けます。 症状を感じたらすぐに病院へ行っていただきたいと思います。 |
二見いすず: | わかりました。 次に、脳卒中の原因となる病気、脳梗塞や脳出血、くも膜下出血について、まずは、脳梗塞についてお願いします。 |
友杉哲三Dr: | はい。 脳梗塞は脳の血管が詰まる病気で、高血圧や高脂血症、糖尿病、不整脈が原因となるものがあり、それらの持病のある方は、脳卒中に注意していただきたいと思います。 |
二見いすず: | わかりました。 |
友杉哲三Dr: | そして、今回、ぜひ知っておいていただきたいのが、「一過性脳虚血発作」という発作のことです。 |
二見いすず: | 一過性ということは、すぐに収まる発作ということでしょうか。 |
友杉哲三Dr: | その通りです。 手足に力が入らない、手足がしびれる、言葉が出ないなどの脳卒中の症状が出現しますが、多くは60分以内でおさまってしまう病気です。 また、10分以内でよくなることもあるのです。 |
二見いすず: | 10分以内ですと、大丈夫かなと放置してしまいそうですね。 |
友杉哲三Dr: | はい。 そう思ってしまうのが、危険なんです。 もし一過性脳虚血発作だった場合は、3ヶ月以内に10%から15%が脳梗塞を発症しています。 そしてその半数は48時間以内に発症しているんです。 |
二見いすず: | かなりの確率ですね。 |
友杉哲三Dr: | そうですね。 脳梗塞の場合は、発症から3時間以内であれば、「t−pa」という薬で血栓を溶かす画期的な治療法が適用できます。 そういった治療法を有効に活用するためにも、脳卒中の兆候を見逃さず、発症したら早急に対処していただきたいと思います。 |
二見いすず: | よくわかりました。 友杉さん、ありがとうございました。 |
友杉哲三Dr: | ありがとうございました。 |