2012.1.14 第454回放送分『脳卒中』 ゲスト:友杉哲三ドクター


二見いすず: 今月のドクタートークは、「脳卒中」について鹿児島県医師会の友杉哲三(ともすぎてつぞう)ドクターにお話を伺います。
友杉さん、今週もよろしくお願いいたします。

友杉哲三Dr: よろしくお願いいたします。

二見いすず: 今週は、脳卒中の症状についてお願いします。

友杉哲三Dr: はい。
脳卒中の代表的な症状は、急に顔の半分、片方の手足が動かなくなったり、しびれたりします。
また、突然意識がおかしくなって、言葉が出なくなったり、周囲の人の話すことが理解できなくなったりします。
右側もしくは左側半分が急に見えにくくなることもあります。

二見いすず: はい。

友杉哲三Dr: また、突然のふらつきがあり、力はあるのにバランスが取れずに歩けなくなったり、手足がうまく動かせなかったりします。
激しい頭痛に突然襲われることもあります。
そういった症状が出たら、脳卒中の可能性がありますから、すぐに病院へ行ってください。

二見いすず: はい。
ぜひ早めの対処を、ということですね。

友杉哲三Dr: はい。
脳卒中の治療は、時間が大きく命運を分けます。
症状を感じたらすぐに病院へ行っていただきたいと思います。

二見いすず: わかりました。
次に、脳卒中の原因となる病気、脳梗塞や脳出血、くも膜下出血について、まずは、脳梗塞についてお願いします。

友杉哲三Dr: はい。
脳梗塞は脳の血管が詰まる病気で、高血圧や高脂血症、糖尿病、不整脈が原因となるものがあり、それらの持病のある方は、脳卒中に注意していただきたいと思います。

二見いすず: わかりました。

友杉哲三Dr: そして、今回、ぜひ知っておいていただきたいのが、「一過性脳虚血発作」という発作のことです。

二見いすず: 一過性ということは、すぐに収まる発作ということでしょうか。

友杉哲三Dr: その通りです。
手足に力が入らない、手足がしびれる、言葉が出ないなどの脳卒中の症状が出現しますが、多くは60分以内でおさまってしまう病気です。
また、10分以内でよくなることもあるのです。

二見いすず: 10分以内ですと、大丈夫かなと放置してしまいそうですね。

友杉哲三Dr: はい。
そう思ってしまうのが、危険なんです。
もし一過性脳虚血発作だった場合は、3ヶ月以内に10%から15%が脳梗塞を発症しています。
そしてその半数は48時間以内に発症しているんです。

二見いすず: かなりの確率ですね。

友杉哲三Dr: そうですね。
脳梗塞の場合は、発症から3時間以内であれば、「t−pa」という薬で血栓を溶かす画期的な治療法が適用できます。
そういった治療法を有効に活用するためにも、脳卒中の兆候を見逃さず、発症したら早急に対処していただきたいと思います。

二見いすず: よくわかりました。
友杉さん、ありがとうございました。

友杉哲三Dr: ありがとうございました。