2012.1.28 第456回放送分『脳卒中』 ゲスト:友杉哲三ドクター


二見いすず: ドクタートークは、「脳卒中」について鹿児島県医師会の友杉哲三(ともすぎてつぞう)ドクターにお話を伺います。
友杉さん、最終日の今日もよろしくお願いいたします。

友杉哲三Dr: よろしくお願いいたします。

二見いすず: 先週まで、脳卒中は、死亡原因になったり後遺症が残ったりする深刻な病気であり、万が一発症した場合は、早めの対処がとても大切だと伺いました。

友杉哲三Dr: はい。
その通りです。
ぜひ「ACT FAST(アクトファースト)」という言葉を覚えておいていただきたいと思います。

二見いすず: 「ACT FAST(アクトファースト)」ですか?

友杉哲三Dr: そうです。
「ACT」は行動するという意味で、「FAST」は早くという意味です。
つまり、“早く病院へ”という意味があります。
また、「FAST」は、脳卒中のチェックポイントを示しています。

二見いすず: はい。

友杉哲三Dr: はい。
「F」はフェイスの「F」で、笑ったり、歯を見せたりするとき顔面の半分が動かない。
そして「A」はアームの「A」で、片方の腕が上がりにくい。そして「S」はスピーチの「S」で、話がはっきりできない、または全くできないならば、そのうち1つでもあてはまれば脳卒中の可能性が高いということです。
そして「T」はタイムの「T」で、急いで救急車を呼ぶ、という意味があります。

二見いすず: よく分かりました。
フェイス、アーム、スピーチ、タイムで、アクトファーストですね。
ぜひ覚えて、早期発見につなげたいと思います。

友杉哲三Dr: そうですね。
脳卒中を発症したら、ためらわず、病院へ行ったり、救急車を呼んだりしていただきたいと思います。
鹿児島県では、昨年12月からドクターヘリが本格的に稼動スタートしましたので、医療機関のない地域の方もあきらめないでいただきたいと思います。

二見いすず: わかりました。
それは心強いニュースですね。

友杉哲三Dr: そうですね。
また、脳卒中に関して、もう一つお知らせしたいニュースがあります。
脳梗塞の大きな原因の一つである不整脈による脳梗塞の発症予防に、新薬「ダビガトラン」が出ました。
この薬は食事制限がなく、患者さんにとって服用しやすい薬ですので、不整脈を持っておられる患者さんの脳卒中予防に非常に役に立つと思われます。
心疾患のある方は医師にご相談されてみてください。

二見いすず: よくわかりました。
ドクターヘリの導入や、原因となる病気の新薬など、いろいろな分野が進歩していることが分かりました。
多くの方がかかる可能性のある脳卒中ですが、予防を心がけるとともに、万が一発症したら、すぐに病院へということをぜひお願いしたいと思います。
友杉さん、貴重なお話をありがとうございました。

友杉哲三Dr: ありがとうございました。