2012.2.4 第457回放送分『ワクチン』 ゲスト:森浩純ドクター



二見いすず: 2月になりました。
今月のドクタートークは、「ワクチン」について鹿児島県医師会の森浩純(もりひろすみ)ドクターにお話を伺います。
森さん、よろしくお願いいたします。

森浩純Dr: よろしくお願いいたします。

二見いすず: まず、あらためて「ワクチン」とは、何のために使われているものなのか、教えていただけますでしょうか。

森浩純Dr: はい。
ワクチンとは、予防接種とも言われますが、感染症に対する抵抗力をつける目的で使われています。
ワクチンは、感染症の原因となる病原菌の毒性をとても弱くしたり、または、完全に消した液のことです。

二見いすず: なるほど。
予防接種とは、ワクチンを、あえて体に入れて、感染症に対する抵抗力、つまり、免疫をつくるということなんですね。

森浩純Dr: その通りです。
予防接種は、自分自身、また、ご自分のお子さんたちの体を感染症から守るために行います。

二見いすず: そうですね。

森浩純Dr: そして、予防接種の役割として忘れてはならないのが、一人ひとりがきちんと予防接種を受けることで、社会に感染症の流行が広がるのを防ぐということです。

二見いすず: なるほど。
自分自身の体を守ることだけではなく、社会に感染症を蔓延させないという意識をもつことも必要ということですね。

森浩純Dr: その通りです。
たとえば、風疹という病気にも予防接種があります。
この病気は、感染したからといって、子供を含めても、命に関わる重篤なケースになることはほとんどありません。
しかし、なぜ全国民に接種を推奨しているかというと、妊婦が風疹にかかると大きな影響があるからです。

二見いすず: といいますと…。

森浩純Dr: はい。
妊婦が風疹にかかると、お腹の赤ちゃんの目や耳、心臓などに障害が出る「先天性風疹症候群」という病気になる可能性があるのです。

二見いすず: なるほど。
それは深刻なことです。
つまり、自分自身が風疹にかからないようにすることも大切ですが、自分が妊婦さんなどに感染させないためにも、予防接種は大切ということですね。

森浩純Dr: その通りです。
たとえば、日本からある伝染病を根絶しようと思ったら、95%以上の国民がワクチンを接種しなければならないというデータもあります。
自分のこと、そして、社会のことを考え、一人ひとりが意識を高めていただきたいと思います。

二見いすず: よく分かりました。
今月は、ワクチンについてお話を伺ってまいります。
お話は、鹿児島県医師会の森浩純(もりひろすみ)ドクターでした。
ありがとうございました。

森浩純Dr: ありがとうございました。