2012.2.18 第459回放送分『ワクチン』 ゲスト:森浩純ドクター


二見いすず: 今月のドクタートークは、「ワクチン」について鹿児島県医師会の森浩純(もりひろすみ)ドクターにお話を伺っています。
森さん、今週もよろしくお願いいたします。

森浩純Dr: よろしくお願いいたします。

二見いすず: 先週は、ワクチンの種類についてお話をうかがいました。
今週は、気になる副反応についてお聞きしたいと思います。
予防接種をするにあたって、副反応が出ることを心配されている方もいらっしゃるようですね。

森浩純Dr: そうですね。
ワクチンは、先々週も申し上げましたように、感染症のもととなる病原菌をとても弱くした液であり、体に免疫をつくるためにあえて接種するため、ごくまれに副反応が出る場合もあります。
ただし、確率は大変低く、しかも、実際に病気にかかることを考えると、非常に軽く済むケースがほとんどです。

二見いすず: なるほど。

森浩純Dr: もしも、予防接種のリスクを避けて、予防接種を行わず、実際に病気にかかってしまった場合、病気によっては重症化して命に関わるケースや、後遺症が残ってしまうものもあります。

二見いすず: なるほど。
予防接種を怠ったばかりに、命に影響があったり、障害が残ったりしたら大変ですね。

森浩純Dr: そうですね。
医師の立場から申し上げますと、現在日本で推奨されている予防接種はもちろん、任意とされている予防接種に関しても、極力すべて受けていただくことが望ましいと考えています。

二見いすず: よく分かりました。
さきほど、推奨されている予防接種と、任意の予防接種というお話がありましたが、くわしく教えてください。

森浩純Dr: はい。
現在の日本では、子供の予防接種については、国が推奨する予防接種で費用の自己負担がない、いわゆる定期予防接種が、三種混合、BCG、ポリオ、麻疹、風疹、日本脳炎です。

二見いすず: はい。

森浩純Dr: そして、任意とされていて一部費用の自己負担がある場合もあるのが、小児肺炎球菌、Hib、インフルエンザ、水疱瘡、おたふくかぜ、B型肝炎などです。

二見いすず: なるほど。
定期のものはより重要ということでしょうか?

森浩純Dr: いいえ。
定期と任意のどちらの重要度が高いということはありません。
費用の負担の違いはありますが、どちらも接種を極力していただきたい感染症ばかりです。
たとえば、任意接種とされている肺炎球菌やHibなどが原因となる髄膜炎は、小さいお子さんほど重症化しやすく、死亡率も高まります。

二見いすず: 任意接種の感染症も死亡原因となる場合もあるのですね。
驚きました。
定期・任意に関わらず、予防接種は積極的に受けた方がいいということでした。
お話は、今週も鹿児島県医師会の森浩純(もりひろすみ)ドクターでした。
ありがとうございました。

森浩純Dr: ありがとうございました。