2012.3.10 第462回放送分『アレルギー性鼻炎』 ゲスト:上野員義ドクター


二見いすず: 今月のドクタートークは「アレルギー性鼻炎」について鹿児島県医師会の上野員義(うえのかずよし)ドクターにお話を伺っています。
上野さん、今週もよろしくお願いいたします。

上野員義Dr: よろしくお願いいたします。

二見いすず: 先週は、「アレルギー性鼻炎」は、アレルギー原因物質が鼻から侵入したとき、それを体外へ排出しようとして起こる免疫反応だと伺いました。
そして、「アレルギー性鼻炎」には、「花粉症」のような「季節性」と、ハウスダストなどが原因の「通年性」があるということでした。

上野員義Dr: はい、そのとおりです。

二見いすず: では、今週は、「季節性アレルギー性鼻炎」について、お話を伺いたいと思います。
「季節性アレルギー性鼻炎」というと、代表的なものはやはり「花粉症」ですよね。
花粉症というと、2月から3月、4月にかけて多くなるのでしょうか。

上野員義Dr: そうですね。
花粉症の代表的なものである「スギ・ヒノキ花粉症」は、2月から3月、4月にかけてピークを迎えます。

二見いすず: なぜこの時期に増えるのでしょうか。

上野員義Dr: はい。
鹿児島では、スギ花粉が通常は2月初旬に飛び始め、3月初旬にかけて多くなります。
また、鹿児島は、ヒノキ花粉の飛散も多く、4月下旬くらいまでシーズンが続きます。
花粉症の方は、この花粉の飛散に影響を受けるのです。
鹿児島では、初夏から秋口にかけてイネ科の植物の花粉アレルギーもみられます。

二見いすず: わかりました。
やはり、アレルギーが起こる仕組みとしては、花粉が鼻から入り、それに対する免疫反応で、くしゃみ、鼻水、鼻づまりといった症状がおこるということなのでしょうか。

上野員義Dr: そのとおりです。

二見いすず: また、花粉症と言いますと、これまでアレルギーがなかった人が、突然発症することがあると聞いたことがあります。
これはなぜなのでしょうか。

上野員義Dr: はい。
花粉症を理解するキーワードとして「体質」「感作」「発症」があります。

二見いすず: はい。
「体質」「感作」「発症」ですね。

上野員義Dr: はい。
花粉症になる流れは、遺伝的にアトピー体質の人が、ある期間花粉を吸入しますと、血液の中のリンパ球がサイトカインというたんぱく質を過剰に生産するようになります。
これが準備段階となります。
このことを「感作」と言います。
この感作期間の後に、またリンパ球が別のサイトカインという物質を過剰生産することによって、花粉症が「発症」するという仕組みです。

二見いすず: なるほど。
もともと花粉症になりやすい体質の方が花粉を吸入しつづけると感作という状態になり、発症に至るということですね。
よくわかりました。
お話は、鹿児島県医師会の上野員義(うえのかずよし)ドクターでした。
ありがとうございました。

上野員義Dr: ありがとうございました。