2012.4.7 第466回放送分『心筋梗塞』 ゲスト:薗田正浩ドクター



二見いすず: 4月になりました。
今月のドクタートークは、「心筋梗塞」についてお話をうかがいます。
ゲストは、鹿児島県医師会の薗田正浩(そのだまさひろ)ドクターです。
よろしくお願いいたします。

薗田正浩Dr: よろしくお願いいたします。

二見いすず: ではまず、心筋梗塞について教えてください。

薗田正浩Dr: はい。
心筋梗塞とは、心臓を包むように分布している冠動脈の血液の流れが悪くなり、心臓を動かしている筋肉に血液が届かなくなって、壊死してしまう病気のことを言います。

二見いすず: なるほど。
心臓が壊死してしまうとは、大変なことだと思います。
やはり、心筋梗塞が起こると命に関わるのでしょうか。

薗田正浩Dr: そうですね。
心筋梗塞は、とても死亡率の高い病気で、発症してから病院に到着する前に3〜4割の方が死亡してしまいます。

二見いすず: そうなんですか…。

薗田正浩Dr: はい。
亡くなられる方の大半が、発症1時間以内に命を失っています。
そして、病院に運び込まれた方でも、1割弱の患者さんが、残念ですが、命を落とされています。

二見いすず: 心筋梗塞は、そんなに深刻な病気なのですね。

薗田正浩Dr: そうですね。
また、心筋梗塞の合併症として、不整脈、心不全、心臓破裂などが起こる場合もあり、これらが死亡原因となっているケースもあります。

二見いすず: なるほど。よく分かりました。
では、心筋梗塞について、代表的な症状を教えてください。

薗田正浩Dr: はい。
心筋梗塞の代表的な症状は、胸を締めつけるような痛みや胸が苦しいとか、重い感じがします。発作が出たときは、胸がえぐられるような感じ、胸の中が焼けるような感じと表現されるような、強烈な痛みに襲われることもあります。

二見いすず: かなり激しい痛み、という感じですね。

薗田正浩Dr: そうですね。
これらの痛みは、通常30分以上続きます。
こういった症状が30分以上続いたら、心筋梗塞の可能性が高いです。

二見いすず: わかりました。

薗田正浩Dr: また、さきほど申し上げた症状以外にも、圧迫感、吐き気、冷や汗、呼吸困難などの症状が出たり、あごや歯が痛い、左の上腕が重い感じがする、胃が痛いなどの症状を訴える方もいます。

二見いすず: わかりました。

薗田正浩Dr: また、糖尿病や高齢の方は、この強い痛みや症状などを自覚しにくいケースがあることも、覚えておいていただきたいと思います。

二見いすず: なるほど。
やはり、早めの処置が大切なのでしょうか。

薗田正浩Dr: はい。
その通りです。
心筋梗塞は、発症してからできるだけ早く処置することが大切です。
心臓が動かなくなり、血液が流れなくなると、心臓の細胞がどんどん死んでいってしまいます。
とにかく救急車を呼び、早めの処置をお願いしたいと思います。

二見いすず: よくわかりました。
来週も引き続き、心筋梗塞について伺います。
薗田さん、ありがとうございました。

薗田正浩Dr: ありがとうございました。