2020.11.28 第917回放送分 『インフルエンザ』4回目 ゲスト:西 順一郎ドクター


二見いすず: 今月のドクタートークは「インフルエンザ」をテーマにお送りいたします。
お話は鹿児島県医師会の西 順一郎(にし じゅんいちろう)ドクターです。
西さん最終週の今日もどうぞよろしくお願いいたします。

西順一郎Dr: よろしくお願いいたします。

二見いすず: 先週はインフルエンザの治療薬について教えていただきました。
さまざまな種類があるので、患者さんと相性のいいものを選べるとのことでしたね。

西順一郎Dr: そうですね。
今日は、みなさんが気になっていらっしゃるであろう、新型コロナウイルスとインフルエンザについてお伝えします。

二見いすず: 分かりました。
では早速ですが、新型コロナウイルスとインフルエンザは、症状で区別がつくものでしょうか?

西順一郎Dr: 症状で完全に区別することはできません。
しかし、それぞれある程度の特徴はありますので推定することは可能です。

二見いすず: ではまずインフルエンザから教えてください。

西順一郎Dr: インフルエンザは潜伏期間が短く、1日から3日です。
急激に発症し、高熱、倦怠感、関節痛、筋肉痛などがみられます。
発症すると同時に、他の人にうつしてしまうのも特徴です。

二見いすず: 分かりました。
では次に新型コロナウイルスについて教えてください。

西順一郎Dr: 新型コロナウイルス感染症は潜伏期間が長く、平均で5、6日です。
早い人は1日、遅い人は14日も経って症状が出ます。
感染者の10%に味覚、嗅覚障害が出ます。
鼻水は少なく、鼻詰まりも少ないです。熱が出ない人もいます。
発症前からウイルスを排出するため、発症2、3日前から人にうつす可能性があります。

二見いすず: コロナの場合は、症状があまり出ない方もいるようですが、そのような場合は、インフルエンザとの区別はつくのでしょうか?

西順一郎Dr: どちらも軽症の場合はまったく区別がつかないため、検査するしかありません。
大切なのは、そのときの鹿児島での流行状況をきちんと把握することです。
コロナがそれほど流行しておらず、周りにコロナの陽性者がいないのなら、インフルエンザの可能性のほうが高くなります。
どちらも流行していたら、どちらの検査を優先するべきか、かかりつけの医療機関にご相談ください。


二見いすず: 分かりました。
今年のインフルエンザは、新型コロナウイルスの影響もあるため、例年とは異なる判断が求められることがありそうです。
しかしそのときの状況に応じて、冷静に判断し、対処することが大切とのことです。
かかりつけ医の医療機関に相談するのも大切とのことでした。
今月は4週にわたりインフルエンザついて、鹿児島県医師会の西順一郎ドクターに貴重なお話をお伺いしました。
どうもありがとうございました。

西順一郎Dr: ありがとうございました。