健康トピックス  

ほんの少し高いだけ?-食後高血糖と動脈硬化-



食後高血糖とは?

 私たちが食事をすると糖質がブドウ糖に分解されて血液中に入り、身体活動のためのエネルギー源になります。
血糖値は運動で低下し、食事で上昇します。
ブドウ糖の利用を効率よく調節し、血糖値をいつも狭い範囲内に保つ働きをしているホルモンがインスリンです。
インスリンの働きが低下し、血糖値が高い、つまり高血糖が続く状況が2型(成人発症型)糖尿病です。
 空腹時の血糖値が正常範囲内であっても、食後2時間の血糖値が200mg/dL以上となっており、尿糖も陽性、という方はとても多くおられます。
“まだ早期で軽症だから、たいしたことはない”と軽く考えてはいけないのです。

放置してはいけません

 毎回の食事のあとに一時的に血糖値が異常に高くなることによって、酸化ストレスなどが高まり、血管の内側(血管内皮)が傷つき、動脈硬化が始まります。
心筋梗塞や脳梗塞の危険が高くなるのです。
一方、食後高血糖をそのままにしていると、インスリンを分泌するすい臓がオーバーワークとなり、疲労し、分泌量が低下し、空腹時まで高血糖になってしまいます。
 糖尿病はまったく自覚症状がありません。
食後に尿糖が出た程度、といって放置してはいけません。
かかりつけ医に相談してみましょう。


指導:順天堂大学医学部内科
    教授 河盛 隆造
企画:日本医師会
協賛:武田薬品工業株式会社